健康や美容など、様々な効能を持ち、世界中から注目を集めているCBD。

WHO（世界保健機構）が出した発表により、CBDの効果がより一層確かなものとなり、世界各国が生活に取り入れていこうとしています。

近年では健康食品や美容製品、嗜好品など様々な形で商品化されており、より身近なものとなっています。ニュースや雑誌などでも取り上げられることが増え、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

実際に日本でも多くのCBD製品が販売されています。

このCBD製品をみていると、「フルスペクトラム」「ブロードスペクトラム」「アイソレート」などの単語をよく見かけますね。

これらの違いは何なのか、今回はそれぞれの特色や成分、効果をご紹介していきます。

フルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレートは含有成分が違う！

フルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレートの大まかな違いは成分です。

大麻草から抽出される医療効果のある化合物カンナビノイドのなかにCDBやTHC（テトラヒドロカンナビノール）の成分が含まれており、その他にもテルペンという香りの成分も大麻草の中には存在します。

CBDには鎮静作用があり、医療効果も期待されている成分となっています。

THCには多くの人がイメージするような大麻のハイになる成分とされており、危険視されていますが、医療目的で使用する場所もあるとされています。

テルペンという香り成分は植物由来のもので、独特の香りやリラックス作用があるとされ、アロマなどにも使用されています。

これらの成分の違いにより違法性や効果、値段が変わってきます。

より細かく見ていきましょう。

フルスペクトラムのCBD

フルスペクトラムとは、フル（Full）、つまり大麻の抽出成分をすべて含んでいるものと言う事になります。麻には約100種類以上の成分が含まれており、CBDだけでなくカナビノイド、テルペン、フラボノイド、THC（テトラヒドロカンナビノール）といったものすべてが抽出されたものです。

麻そのものに最も近く、テルペンの成分もそのまま残っているため、大麻独特の風味や香りが残っているものが多いとされています。

また、自然に近い形であるため成分同士での相互作用が良く働き、より強い効果を感じることができるとされています。

ここであげられているTHC（テトラヒドロカンナビノール）とは精神向上性のある成分で、主に大麻の「ハイになる」成分ともいえます。製品化されているものに含まれているTHCの危険性はほとんどないといわれていますが、日本では違法になります。

ブロードスペクトラムのCBD

ブロードスペクトラムのブロード（Broad）とは広範囲の、という意味になります。

フルスペクトラムから日本では違法とされているTHCの成分だけを除外し、抽出したCBDとなります。そのため、違法性はなく安心して使用することができます。

カンナビノイド（CBD・CBN・CBG等）、テルペン、フラボノイドなどはそのまま抽出されているので相互作用は変わらず働くとされています。

各成分の相互作用により、アイソレートよりも高い効果が期待できるとされています。

フルスペクトラムよりも大麻独特の香りや味はありませんが、人によっては気になるかもしれません。

アイソレートのCBD

アイソレート（Isolate）とは分離した、独立した、という意味になります。

麻からCBDの成分だけを抽出した純度の高いものとなります。

THC、テルペン、ワックス、オイル、クロロフィルといった他の成分は一切含まないため、CBDの効果をわかりやすく試したい人や初めてCBDを使う人に良いとされています。

他の成分がないため、相互作用はありません。

CBDのみ抽出しているので香りや味がほとんどなく、グミやベイプなどに適しています。

3つの中で最も安値で入手できることも魅力です。

フルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレート、それぞれ効果に違いはあるの？

カナビノイド、テルペン、フラボノイドといった成分が相乗作用を起こすことをアントラージュ効果といい、これによって高い効果を得ることができます。

研究によってその効果が実証されています。

裏づけに乏しいものの（データは揃いつつあるが）、異なる化学物質を組み合わせることで、カンナビスの効果が高まるという理論。ある研究では、THC単体では妄想を引き起こすリスクがあるが、CBDと組み合わせることで精神への作用を弱められることがわかっている。

引用元：WIRED

したがって、効果の順番としてはフルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレートの順番で効果が出るといえるでしょう。

しかしCBDにおいては効果の出方や、香りや味の好みには個人差があるため、一概にどれが良いとは言えません。

香りや味が少ないものが好みでCBD量をコントロールするにはアイソレートのCBDを試し、あとからブロードスペクトラムのCBDに変えていくのも良いかもしれません。

フルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレートは日本でどれが違法でどれが合法？

フルスペクトラムにはTHCが含まれているため、日本の法律上禁止とされています。

検出可能なレベルのTHCが含まれている製品は日本では製造・販売・使用すべて禁止となっているため、フルスペクトラムの製品は日本で使用してはいけません。

大麻取締法では以下の通り述べています。

第一条　この法律で「大麻」とは、大麻草（カンナビス・サティバ・エル）及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品（樹脂を除く。）並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

引用元：大麻取締法

合法なブロードスペクトラム、アイソレートは安心して国内で利用することができます。

▶︎関連記事：CBDは本当に違法じゃないの？日本の法規制について解説！

なぜTHCが微量に含まれる海外のフルスペクトラムのCBD製品が日本で販売されているの？

日本では大麻取締法のため大麻草の所持や栽培自体が禁止されており、日本ではCBDの製品を作ることができません。そのため、全て海外からの輸入品になります。

海外では微量のTHCが合法であることが多く、0.3％未満の微量のTHCを含む製品が流通しています。特にアメリカでは0.3％未満であれば違法ではないとされています。

そのため、海外からの輸入品には、THCが含まれるリスクがあります。

0.3％のTHCを摂取したからといってハイになったり中毒になったりはしませんが、薬物テストなどの際に検出される可能性はあります。なにより、日本では違法のため所持・使用・販売共に禁止です。

輸入後、THC含有発覚という事態は起こりうることなので、信頼できる販売元から購入するようにしましょう。

もし違法CBD製品を購入してしまった場合は日本カンナビジオール研究会等といった専門の機関に相談し、対処するのが大切です。

厚生労働省の情報にもある通り、THCを含まない製品をしっかり選びましょう。

海外から輸入されているCBD商品を購入する際はTHCが含まれているリスクを考慮し、成分表の確認やCBD純度99％以上のものを選ぶようにしましょう。

▶︎関連記事：CBDと違法大麻（THC）の違いとは？依存性や中毒性は大丈夫なの？

アイソレートかブロードスペクトラムがTHC未含有で安心！

前述のとおり、フルスペクトラムのCBDは大麻取締法に則り、日本では違法となっています。

そのため、アイソレートかブロードスペクトラムの商品を購入し、安全なCBDライフを心がけることが大切です。

販売代理店が厳選し、税関の検査をくぐりぬけて日本に輸入されてきた商品であったとしても、THCが含まれている可能性があります。実際に国内製品でTHCが検出された事例もありますので、自分たちで選ぶことも大事になってきます。

販売されているCBD製品のうち、リストのとおり18種類の製品の成分を分析しました。

　分析の結果、18種類の製品のうち

　　　　ナチュラルドロップス3000

　　　　シナミントドロップス3000

　　　　プロフェッショナル2000

の３種類の製品から、微量の大麻成分THC（テトラヒドロカンナビノール）が検出されました。

引用元：厚生労働省

もしTHCを含むフルスペクトラムの製品を見かけても購入せず、別の製品を購入しましょう。分からない場合は口コミを見たり、業者に問い合わせたりしてみるのも良いかもしれません。

グミやベイプなどお手軽にCBDの量を調節しながら、効果をわかりやすく使いたい人はアイソレートを、各成分の相乗効果を狙って効率よく使っていきたい人はブロードスペクトラムのCBDを選ぶことをおすすめします。